北沢青色申告会

2020年度税制改正

2020/6/29 掲載
寡婦(寡夫)控除の見直し
 全てのひとり親家庭に対して公平な税制支援を行う観点から、
①婚姻歴や性別に関わらず生計を同じとする子(総所得金額等が48万円以下)を有する単身者について同一の「ひとり親控除」(控除額35万円)を適用することとする。
②上記以外の寡婦については、引き続き寡婦控除として、控除額27万円を適用することとし、子以外の扶養親族を持つ寡婦についても男性の寡夫と同様の所得制限(所得500万円以下)を設けることとする。
※ひとり親控除、寡婦控除のいずれについても、住民票の続柄に「夫(未届)」「妻(未届)」の記載がある者は対象外。
 
NISA(少額投資非課税)制度の見直し・延長
 つみたてNISAを5年延長(令和5年まで20年の積立期間を確保)する。
 一般NISAについては原則として一階で積立投資を行っている場合には二階で別枠の非課税投資を可能とする二階建ての制度に見直した上で5年延長する。
 ジュニアNISAについては、延長せずに令和5年末で終了する。

国立大学法人等に対する個人寄附の促進
 国立大学法人等への個人寄附について、その寄附収入がイノベーティブな研究に挑戦する若手研究者への研究費の助成事業等に充てられる場合(従来は修学支援事業に充てられる場合のみ)には、所得控除に加えて、税額控除を選択できることとする。
 
国外財産調書制度等の見直し
①国外財産調書制度について、税務調査において納税者が指定された期限までに必要な資料を提示・提出しない場合には、加算税を加重することとする。
②納税者が必要な資料を提示・提出せず、税務当局が外国税務当局に対して情報交換要請を行った場合、その期間制限にかかわらず、当該要請から3年間は更正決定等を行うことを可能とする
 
平成30年度改正のうち2020年分の所得税から適用される主な事項
 
給与所得控除の見直し
①控除額を一律10万円引き下げる。
②給与所得控除の上限額が適用される給与等の収入金額を850万円に、その上限額を195万円に引き下げる。
③給与所得の源泉徴収税額表(月額表日額表)、賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表及び年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表について所要の措置を講ずる。

基礎控除の見直し
控除額を一律10 万円引き上げるとともに、合計所得金額が2400万円を超える個人についてはその合計所得金額に応じて控除額が逓減し、合計所得金額が2500万円を超える個人については基礎控除の適用はないこととする。
 また、年末調整において基礎控除の適用を受ける場合に合計所得金額の見積額を申告する等の所要の措置を講ずる。

扶養親族等の範囲について
①勤労学生の合計所得金額要件を75万円以下(現行65万円以下)に引き上げる。
②同一生計配偶者及び扶養親族の合計所得金額の要件を48万円以下(現行38万円以下)に引き上げる。
③源泉控除対象配偶者の合計所得金額要件を95万円以下(現行85万円以下)に引き上げる。
④配偶者特別控除の対象となる配偶者の合計所得金額の要件を48万円超133万円以下(現行38万円超123万円以下)とし、その控除額の算定の基礎となる配偶者の合計所得金額の区分をそれぞれ10万円引き上げる。 
 
 青色申告特別控除について
①取引を正規の簿記の原則に従って記録している者に係る青色申告特別控除の控除額を55万円(現行65万円)に引き下げる。
 
②右記①にかかわらず、右記①の取引を正規の簿記の原則に従って記録している者であって、次に掲げる要件のいずれかを満たすものに係る青色申告特別控除の控除額を65万円とする。 イその年分の事業に係る一定の帳簿について、電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律に規定する電磁的記録等の備付け及び保存を行っていること。 ロその年分の所得税の確定申告書、貸借対照表及び損益計算書等の提出を、その提出期限までに電子情報処理組織を使用して行う。なお、同年分の事業に係る一定の帳簿の備付けを開始する日に、当該帳簿の電磁的記録等による備付け及び保存に係る承認を受けていない場合において、同年中の日であってその承認を受けて当該帳簿の電磁的記録による備付けを開始する日から同年12月31日までの間の当該帳簿の電磁的記録等による備付け及び保存を行っているときは、同年分の65万円の青色申告特別控除の適用における右記②イの要件を満たすこととする等の所要の措置を講ずる。
 
所得金額調整控除制度の創設
①その年の給与等の収入金額が850万円を超える居住者で、特別障害者に該当するもの又は年齢23歳未満の扶養親族を有するもの若しくは特別障害者である同
一生計配偶者若しくは扶養
親族を有するものの総所得金額を計算する場合には、給与等の収入金額(その給与等の収入金額が1000万円を超える場合には1000万円)から850万円を控除した金額の10%に相当する金額を、その年分の給与所得の金額から控除する。 ②給与所得控除後の給与等の金額及び公的年金等に係る雑所得の金額がある居住者で、給与所得控除後の給与等の金額及び公的年金等に係る雑所得の金額の合計額が10万円を超えるものの総所得金額を計算する場合に、給与所得控除後の給与等の金額(給与所得控除後の給与等の金額が10万円を超える場合には10万円)及び公的年金等に係る雑所得の金額(公的年金等に係る雑所得の金額が10万円を超える場合には、10万円)の合計額から10万円を控除した残額を、その年分の給与所得の金額から控除する。
③右記①の控除は、年末調整において適用できる。
(以上一部抜粋)