記帳 / パソコン会計
日々の記帳
事業を始めたけど、何を帳簿に付けたらいいかわからない!という方が多いと思います。でも、大体こんな感じでつければいいのかな?ということはぼんやりとは判っているかと思います。おそらくその感じは当たっていますので、具体的に形にしてみましょう。
いつ、何を、何勘定で、何目的で、いくら使ったのか、またその結果累計額がいくらになったかを書き込みます。要素が入っていさえすれば大学ノートにつけてもOKですし、エクセルなんかで作っていただいても結構です。
ただし、パソコンを利用する方は決算額が固まったときに、帳簿を出力することを忘れないで下さい。
ここでは青色申告者の簡易簿記での記帳について説明します。青色申告の承認申請書を提出し、以下の帳簿を付けると、青色申告の特別控除10万円を受けることができます。
売上帳(収入について)
商売の基本です。これを漏らすと大変です。日付順で記入していただき、月ごとに集計をしてください。
注意していただきたいのは通帳取引をされている方は、入金額が売上高なのではなく、請求書を提出したときの総額(消費税込み)が売上高になるという点です。企業との取引がある場合は10%の源泉徴収をされている方が多いと思いますが、源泉徴収される前の金額が売上となります。
また、飲食店を営む方は仕入れたものをご自身で食べたり、飲んだりすることをなさっていると思います。仕入れたものを飲食することは特にだめということは決してありませんが、必ずその消費分を売上げとして帳簿につけてください。これを「家事消費」といいます。
理屈は少し難しくなりますが、仕入れた時に経費に先に計上しているものを個人的に消費しているので、個人的に消費した分に関しては事業での支出とならないので家事消費で収益を立てることによって仕入れ分を相殺する。ということです。
経費帳(費用について)
勘定毎に1年分の集計ができるようにまとめて下さい。下のイメージのように○○費というようにタイトルをつけていただき、それを必要な経費科目分作成していただきます。
気をつけていただきたいのはご自身の生活費など事業の出費ではない支出を計上してしまわないようにすることです。あくまでも経費となるのは売上に対応している支払です。
では、友人とご飯を食べた時に支払った金額が接待交際費となるでしょうか?
答えは、交友をあたためるだけであれば×。ご飯代を出すことによって売上につながるならば接待交際費となります。ともすれば個人的な支出に見えてしまうようなものに関してはできるだけ詳細にメモなどを残すようにしてください。
現金出納帳(現金の出入りについて)
商売はやはり現金が基本になります。下図のように入金と出金を違う列で記入し、手元に現金がいくらかあるのかを残高の列につけて頂きます。昔おこづかい帳など付けた事のある人は良くわかると思います。家計簿も現金出納帳に似ていますね。
注意したいのは現金と預金をしっかりと分けることです。例えば現金を預け入れた時、帳簿の上では「現金が減って預金が増えた」となりますので、現金出納帳には預け入れが原因(適用)で現金が減ったと記帳します。
大原則として現金出納帳は残高は絶対にマイナスになりません。注意しましょう!
個人事業の方ですとどうしても生活費(事業と関係のない支出)を事業用の現金から支払う場合が多々出てくると思います。その場合は「事業主貸」という勘定を使い記帳してください。
逆に事業用の現金残が足りなくなり、個人の現金から補充することがあると思います。その場合は「事業主借」という勘定を使い記帳してください。
まとめると
事業から個人への現金の流れは「事業主貸」
○代表的な事業主貸
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所得税、住民税、国民健康保険料、国民年金などの個人に係る税金の支払
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生活費(事業主の給料)
個人から事業への現金の流れは「事業主借」
○代表的な事業主借
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事業用現金を増やす
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預金利息
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国税還付金
となります。
領収書などについて
帳簿を付けたからといって領収書を捨てないで下さい!証憑といって帳簿の正確性を量るために必要な物になります。青色申告者は帳簿や書類を保存する必要があります。
●書類 保存期間
- 帳簿 ・ 決算関係書 7年
- 現金預金取引関係 7年
- その他の書類 5年
パソコン会計について
青色申告のメリットである55万円控除又は65万円控除を受けるにはある程度の簿記の知識が必要となります。簿記の知識は無いけれど55万円(65万円)控除を受けたい!という方へは会計ソフトによる記帳をお勧めしています。
当会ではパソコン会計の記帳方法もご相談可能です。お気軽にご相談ください。
弥生会計の指導
当会では会員の皆様へ「やよいの青色申告」を薦めております。
当会職員も使用していますのでソフトの熟練度が最も高く、指導もスムーズになります。購入を考えている方はご検討ください。
パソコン会計の開始にあたって
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初期設定
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事業所データや、残高、勘定設定、固定資産管理などを設定します。
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預金出納帳と現金出納帳による記帳
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預金出納帳はご利用の通帳どおりに入力します。
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現金出納帳はお手元の事業用現金の流れを入力します。
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その他の勘定間の取引の記帳
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現金・預金を介さない取引です。少し難しくなります。
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決算整理
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決算を迎えるに当たり期中の数字を適正な数字に修正します。
会計ソフトを利用する場合は大まかに言って上記4段階の操作になります。
1.と4.については慣れるまでは事務局にて職員が操作いたします。3.については取引形態によりますが、最初に記帳方法を説明しますので、あとはそれに倣ってもらう方法で問題ありません。
とにかく上達のポイントは
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パソコンを動かす
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ソフトを動かす
です。常時パソコンに触れていないような方はとにかく折を見て触ってみるようにしましょう。難しく思えますがパソコンにしても「習うより慣れろ」です。
最後に
パソコン会計を始めて最初の3年間は事務局で職員のチェックを受けて下さい。
借方、貸方などの簿記知識を必要とせずに記帳できますが、それ故に間違いに気づきにくく、1年間終了時点で全く違った入力をしていた場合、修正が困難となり、結局10万円控除になった。というケースが過去によくありました。
パソコン会計をする方のステップ
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ソフト購入
量販店などで購入します -
1ヵ月分の数字のわかるもの(通帳など)を持って来局
初期設定をします
1ヵ月分(一部)を職員と共に入力して頂き、入力方法を学びます -
ご自身で入力されたデータを持って来局
指導を受けた方法で、ご自身で入力されたデータを職員がチェックをします -
11月~12月に来局
決算整理について説明します。特殊な処理が必要な場合が多いので必ず来局してください