申告・納税について
Q1 今年事業主である父が死亡しました。相続して事業を開始した際、青色申告も相続できるのですか?
A1 いいえ。改めて相続した人の名前で「所得税の青色承認申請書」を提出する必要があります。又、死亡の日によって提出期限が以下のとおりになります。
- 1月1日~8月31日までに死亡 死亡の日から4ヶ月以内
- 9月1日~10月31日までに死亡 その年の12月31日まで
- 11月1日~12月31日までに死亡 翌年の2月15日まで
Q2 今年事業主である父が死亡したのですが、どのような手続きを取ればいいですか?
A2 通常の確定申告と異なる点は期間と添付書類です。原則として相続の開始のあったことを知った日の翌日から4ヶ月以内に「準確定申告」をしなければなりません。「準確定申告」とは1月1日から亡くなられた日までの確定申告をすることです。又「死亡した者の所得税の確定申告付表(兼相続人の代表者指定届出書)」を添付する必要があります。
Q3 税金はどうやって納めればいいですか?
A3 所得税に関しましては、税務署より申告書と共に送付される納付書へご自身で作成した申告書記載の納税額を記入し、その額を金融機関又は税務署で3月15日までに納付します。また便利な口座振替納税制度もあります。口座振替制度は引き落し日が4月の中旬になります。
Q4 予定納税ってなんですか?
A4 前年分の課税総所得金額をもとに算出した予定納税基準額が約15万円以上となる人が該当します。1/3に相当する金額を1期(7月)と2期(11月)に分けて納める、所得税の先払いの制度です。そして確定申告の時に1年間の納税額を計算し、既に納めている予定納税額を差し引いて納めます。また、既に納めた予定納税の方が多い場合は還付となります。
Q5 所得税って一括払いですか?
A5 確定申告で納付すべき税額の1/2以上を納めた人は5月31日までにその残額を延納することができます。ただし、延納の金額に応じて利子税を併せて納付する必要があります。 申告書にその記載をする欄があり、記入を正しくすることで延納することが可能です。
Q6 申告した人にかかる還付金を違う人の口座に振り込めますか?
A6 還付金は確定申告した本人の口座にしか振込みができません。
Q7 間違えて税額を多く確定申告した時はどうすればよいですか?
A7 更正の請求といい、申告をやりなおすことができます。
Q8 間違えて税額を少なく確定申告した時はどうすればよいですか?
A8 修正申告が必要です。税務署から指摘を受ける前に、自主的に修正申告をした場合には過少申告加算税はかかりません。
Q9 確定申告を忘れたのですがどうすればよいですか?
A9 申告は忘れていたでは通用しません。税務署から指摘を受ける前に自主的に申告した時は無申告加算税が5%に軽減されます。(通常は15%)
Q10 今までサラリーマンなので確定申告をしていないのですが、還付申告をする場合は何年さかのぼれますか?
A10 申告をしていない人は、5年間さかのぼることができます。
Q11 会社に勤めながら1部屋だけ貸しているのですが、確定申告する必要がありますか?
A11 たとえ1部屋だけでも所得があれば申告する必要があります。また、不動産所得だけを申告するのではなく給与収入とあわせて申告します。
Q12 妻と共有名義の建物を貸しているのですが、確定申告は私1人が代表しておこなっていいですか?
A12 共有名義の場合、その名義人がその持分に応じて申告することになります。
Q13 満期で生命保険金を受け取ったのですが確定申告する必要はありますか?
A13 あります。ただし、特別控除があるので所得が発生しない場合もあります。
Q14 満期で生命保険金を受け取った時の計算方法を教えて下さい。
A14 一時所得=(受け取った満期金額-既払い保険料)-50万円(特別控除)×1/2
ただし特別控除は受け取った満期金額-既払い保険料が50万円未満であればそこまでの金額しか控除することが出来ません。
Q15 一時所得の特別控除50万円は保険の満期が数件あれば、その数件毎に適用できますか?
A15 1年間に1人に対して特別控除は50万円です。満期が数件あっても50万円です。
Q16 夫が亡くなって生命保険金を受け取ったのですが、確定申告する必要はありますか?
A16 所得税としては申告する必要はありません。しかし、相続税としては申告する必要があるかもしれません(相続財産の総額等によります)。
Q17 病気で入院して保険金を受け取ったのですが申告する必要はありますか?
A17 けがや病気で保険金を受け取った時は、申告する必要はありません。 ただし、医療費控除を受ける額から差し引く金額となります。
Q18 退職所得の計算方法を教えてください。
A18 退職所得=(収入金額(税込み)―退職所得控除)×1/2 です。
また、退職所得控除の計算は以下のとおりです。
- 勤務年数が20年以下の場合 勤務年数×40万円(最低80万円)
- 勤務年数が20年を超える場合 800万円+70万円×(勤務年数-20年)
- 障害者になったことに直接基因して退職した場合 1、2の金額に100万円をプラスします。
Q19 会社を解雇されて解雇予告手当をもらったのですが、退職所得になるのですか?
A19 はい。解雇予告手当に関しては退職所得に含めます。
Q20 サラリーマンでも申告することがあると聞いたのですが、本当ですか?
A20 下記の場合は確定申告をしなければなりません。
- 給与収入額が2,000万円を超える人
- 給与を1ヵ所から受けていて、給与所得や退職所得以外の所得の合計額が20万円を越える人
- 給与を2ヵ所以上から受けている人
また、下記の人は確定申告をすると還付されることがあります。
- ローンでマイホームを取得した人
- 災害や盗難にあった人
- 多額の医療費を支払った人
- 年の途中で退職し、再就職していない人
- 特定の寄付金を支払った人
Q21 海外に出向することになったのですが申告はどうしたらよいですか?
A21 1年以上の予定で海外に転勤すると原則として非居住者となります。海外に出発する日までに総合課税の対象となる所得がある場合や出国以後に不動産貸付による所得や国内にある資産の売却による譲渡所得等があるときは日本で準確定申告をする必要があります。
出国後、国内所得があり、継続して確定申告が必要な人は「納税管理人」を選任して税務署に届ける必要があります。
Q22 雇用保険をもらったのですが、申告しなければいけませんか?
A22 非課税となるので申告は必要ありません。ただ、解雇された時に解雇予告手当をもらった時は退職所得となります。
Q23 通勤手当は税金がかからないと聞いたのですが本当ですか?
A23 はい。交通機関や有料道路を利用している人に支給する場合は10万円まで非課税です。新幹線で通勤している方も10万円以内であれば大丈夫です。
Q24 作業着を支給されているのですが、これに税金はかかるのですか?
A24 給与所得者が職務上必要な現物給与を受ける場合は非課税です。
Q25 パート収入はいくらまで税金がかからないのですか?
A25 パートは給与所得と考えますので、他の所得がない場合は103万円まで所得税はかかりません。住民税は100万円までです。
Q26 よくパート収入を年間103万円までにすると得と聞きますが、本当ですか?
A26 他の所得がない場合、年間のパート収入が103万円までは配偶者の扶養に入ることができます。また、103万円から141万円未満の間は段階的に配偶者特別控除を受けられます。結論的には103万円までにおさえないと必ず損をするとはいえません。しかし、夫の勤務先から扶養手当が支給されている場合は、103万円を超えると支給されなくなるので、その分損をするケースが考えられます。
Q27 よくパート収入を年間130万円までにすると得と聞きますが、本当ですか?
A27 収入が130万円を超えると夫の社会保険の扶養家族に入れなくなります。そうなると市区町村で国民健康保険に加入し保険料を支払わなければなりません。その為、130万円以内にした方が有利なケースが出てきます。しかし、妻の会社で社会保険に加入できる場合は、将来の年金額が増えるということになるので、長い目で見れば損とは限りません。